SRPGアンケート結果発表 コンテンツ編
はじめに
SRPGアンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。おかげさまで数多くのご意見を頂戴することができ、さっそく弊社製品の開発において参考とさせていただいております。また、あらかじめお約束しておりましたとおりゲーム制作ツールソフトで創作を行なう方々にも参考としていただくため、今回から数回にわけてアンケート集計結果を発表・分析する記事をお贈りしてまいります。
第1回となる今回は「Part1.ゲームの目的のひとつとして楽しめる要素について」の設問9項目についてご紹介します。全回答を「TOTAL」としてまとめたほか、回答者のうち下半分の年齢層を「YOUNG」(20代前半以下)、上半分を「ADULT」(20代後半以上)として抽出した結果も併記しています。
なお、SRPGアンケートは現在も継続してご回答をお待ちしております。未回答の方は、よろしければページ末尾のリンクからアンケートにご協力ください!
コンテンツに関する9つの質問
Q1
いわゆる「レベル上げ作業」を想定した質問です。結果を見るとそれなりの支持はあるものの、ADULT層の「もういい」は33%にも及びます。
Q2
アイテムに限らずコレクション要素全般を想定しての質問です。「物欲」という言葉がよぎるとちょっと否定的な気持ちになるかもしれませんが、あえてコレクション要素とは表記しませんでした。
YOUNG層においてQ1よりも支持率が高い点に注目です。逆にADULT層では「もういい」がQ1より多くなっています。アイテムを取るためにアイテムを取る……というループに陥りやすいので、経験豊富な人ほど否定的になるかもしれません。
Q3
この設問は強敵への勝利経験が重要となるので「挑戦すること」ではなく「勝つこと」と表記しました。
結果を見るとYOUNG層は「楽しめない」が30%にも及ぶ一方、ADULT層の強烈なモチベーションの高さが際立っています。
Q4
世代によって思い浮かべる「低難度バトル」は違うかもしれませんが、それを踏まえたうえでの設問です。
結果を見ると、TOTALの値がYOUNG/ADULTのどちらからも遠く、平均値が意味をなしていません。また、YOUNG層において「特に意見はない」の比率が高く、今時は"あたりまえ"になっていることを窺い知れます。逆にADULT層の極端に否定的な反応には目を見張るものがあります。
Q5
冒険重視のプレイでも戦争重視のプレイでも、行動範囲拡大は根本的な動機となるため支持率が高くて当然、という設問です。
小差ではあるもののYOUNG層の方が「もういい」と感じる比率が高い点に注目です。幅広く支持を得られる要素である反面、今後は飽きられていくのかもしれません。
Q6
世代を問わず非常に支持率が高い結果となりました。多くのSRPGにおいてメインとなる楽しみなので当然といえば当然です。ただ「もういい」という意見も1/6程度あり、無視できません。
Q7
Q6とともに高支持となりました。ストーリーとキャラクターが両方でゲーム世界を形成し、それらに対してインタラクティブであることが重要視されているとわかります。特にYOUNG層の支持が圧倒的ですね。
Q8
SRPGのバトルにおいて、チーム編成や戦略構築はパズル要素でもあり、敵ユニットの特性などを見極めることは謎の解明とも言えます。そのあたりを意識しての設問です。
結果を見ると……YOUNG層の「楽しめない」が35%というのはかなり高め。「もっとやりたい」の比率はYOUNG/ADULTの差がないので、あくまで好きな人とそうでない人が世代に関わらずいる、ということでしょう。パズルや謎に苦手意識を持ってしまうと、出撃ユニットの選択が固定化したり強敵を理不尽に感じたりしやすくなるので、作り手が上手にヒントを出していかないといけないのでしょうね。
Q9
実はQ5,6と内容的に重複している設問ですが、別パターンのエンディングや隠しイベント、図鑑などいわゆる「延命要素」や「オマケ要素」に対する反応が返されることを想定した設問です。ADULT層に比べYOUNG層にやや否定的な反応が目立つ結果となりました。
まとめ
YOUNG層とADULT層の反応、いかがでしたでしょうか。けっこう特徴が出ていて、今後、匿名掲示板などで行なわれる論争を見ていると誰がYOUNGで誰がADULTなのかわかってしまいそうな気がしますね。でも、今回の結果から得られたことはそんな世代特定材料(?)だけではありません。
YOUNG層の反応を「ゲームをはじめる前の気持ち」、ADULT層の反応を「ゲームを終えたあとの感想」として捉えるとまた違った情報が見えてきます。例えば「楽しめない」がYOUNGで高くADULTで低い要素は「気が進まないけどやってみれば楽しめるもの」であり、逆にYOUNGの支持が高くADULTの支持が低い要素は「釣られてやすいけど、それほどでもないもの」あるいは「最初は楽しめるけど飽きやすい」と考えることもできるのです。
YOUNGに人気の要素がADULTに飽きられないようになり、ADULTに人気の要素がYOUNGに理解されやすくなることで、世代を問わず楽しめる作品が今後も多く登場することを願いつつ、今回の縦に長〜い記事はそろそろ終わりとなります。
次回はSRPGアンケートのPart2の設問に対する結果を紹介していく予定です。ぜひまたご覧ください!
文責:仲川正紀(ヒポ社代表/Twitter@hiponama
関連ページ